平成28年度 公益財団法人JKA 機械工業振興補助事業  【RING RINGプロジェクト】
自動二輪車運転技能可視化装置の開発と運転技能向上に関する研究 (補助事業番号【28−157】)
成果報告



研究背景と目的


交通事故による死亡者数が年々減少を続ける中,二輪車に乗った中高年齢層の事故死が増加している.
警察庁の統計によると平成28年の交通事故死者数は3,904人で平成16年の7,425人に比べ約半減しているが,
このうち40〜64歳の二輪車事故の死者数は193人で,同じく平成16年の104人からほぼ2倍に増加している.

これは,若い頃に二輪車運転免許を取得しながら,仕事や子育て等の理由で二輪車に乗らなくなったが,
生活に余裕が出てきたのを機に,再び乗り始めるいわゆる「リターンライダー」が増加していることが
背景にあると考えられる.






また,日本自動車工業会の調査によると平成27年の125cc以上の二輪車国内販売台は約8万4千台と,
ここ数年間で大きく増加しており,更に二輪車ユーザーの56%が50歳以上であるという調査結果からも,
中高年齢層の二輪車人気向上は明らかである.




しかし,こうしたリターンライダーは自身の体力や反射神経の衰えと,ハイテク化する二輪車の性能の変化に
感覚が追いつかないため,単純な操作ミスや運転技能・安全意識の低さから事故が増加していると考えられる.
また,研究者らの所属する高専の多くが16歳から20歳の学生に対して二輪車による通学を許可しているが,
毎年数多くの二輪車事故が発生しており,時には若い命が失われることもある.

二輪車は若年齢から運転免許が取得でき,経済的にも安価で,機動性も優れていることから手軽に扱える交通手段
として用いられるが,構造自体が不安定な乗り物であり,転倒などの事故が発生しやすい上に,事故をすると体に
直接衝撃を受けるため,運転者には高い技能と安全に対する意識が求められる.しかし,手軽に扱える交通手段で
あるため,運転者は安全を軽視する傾向にあり,本来は本人の意識や技能で防げる事故が多くあると考えられる.


本研究では,二輪車を運転する際の操作力をセンサを使って測定し,その測定データを可視化することによって,
ライダー自身に普段どのような運転を行っているかが見た目で分かる「二輪車の運転技能を可視化する装置」を開発する.
開発した装置を使用して,リターンライダーを中心とした社会人や本校の学生に「自らの運転に不足している技能を
認識してもらう」事によって,運転技能と安全に関する意識を向上させ,交通事故を未然に防止する安全運転教育を行う.
また得られたデータを集約して,一般の運転者と熟練した運転者での違いを分析し,広く一般に公開することで
二輪車による交通事故減少を図る.



  • 研究背景・目的
  • 実験装置
  • 実験方法
  • 計測結果・考察
  • まとめ・謝辞


  • 研究代表者:本多将和
    共同研究者:藤岡美博、齊藤陽平、池田総一郎、小吹健志、泉大樹、福島志斗
    卒業研究担当学生:石原克奎(平成28年度)